天然だったら 安心?(2)「精油と香料」

オレンジブロッサム

オレンジブロッサムのサロンでは、

あれもこれも、できるだけ「天然」のものを使っています。

 

それでオーナーセラピストの、あなたもちょっと「天然」?って、

言われちゃうと、「さいでんねん」と、答えるしかないやん(笑)

 

で、その(1)を 書きだしました。

 

 

色々幅広く、どうまとめてよいのやら ちょっと迷走しています。

 

 

「精油だから安心」を斬ってみようと思います。

いろんな視点で見てみましょう

 

その「精油」、本当に精油ですか?

国内の(アロマショップで扱うような)
アロマセラピー用とされるポピュラーな会社のラベンダー精油、

20種類を精査したら、

正真正銘のラベンダー精油とみなされるものは、

2種類だった

という論文もあります。

 

 

つまり、真正ラベンダーでは含むことがない成分が検出されたり、

ありえない割合で含有していたとか、そういうことです。

 

それらの精油に加えられたものは、

天然のものも合成のものもあります。

 

 

それだけ、「精油」の中身は、魑魅魍魎。

 

特に、規制がない日本では、
言うたもん勝ち、
表示したもん勝ち、

野放し状態です。

 

基準がないから、規制のしようがない。

所轄の官公庁が存在しない。

 

 

では、成分を混ぜたり抜かれたりした精油は、「精油」ではないかもしれないけれども、

純粋でない、偽っている=有害 ではないです。

安全でもないです。

有害なものもあり、害がないものもあります。(後で述べますが、使い方にも依ります)

 

精油について話す前に、「精油」が、私たちが思っている以上に少ないのではないかということ。

この点を、押さえておきましょう。

 

余談ですが、

精油を原液で飲んだり食べたり、

ポタポタと何十滴も肌に垂らしたり…

 

そんな使い方をされているということを

聞いたり、相談されたりします。

 

これが、純正な精油だったら、

健康被害が続出しているのでは?

危惧するのですが、

 

そう明らかになっていない

ということは、

 

幸運にも「精油」ではないから  かとも想像しています。

 

 

香水に使う香料の方は、基準や規制がある

香水には、精油などの天然の香料も合成の香料も使用します。

 

それらについて、

IFRA(国際香粧品香料協会)が

国際的な基準を決めていて、

 

会員である日本香料工業会も

その基準に準じています。

 

 

また、

香水や化粧品の香りや医薬品に用いる香料は、

「医薬品医療機器等法」の下で

一定、取り扱われています。

 

香料の業界では、

 

それらの基準に基づいて香料を使用しています。

 

香水も、

肌に塗るものですから、

基準は厳しいと言ってよいでしょう。

 

香水も、当然ながら、

その昔は植物由来、

動物由来、

鉱物由来の天然素材を使っていました。

 

 

やがて、合成香料に変わっていきます。

 

ジャコウネコ

 

特に動物由来の天然香料から合成香料へと代わっていったのは、

 

ワシントン条約の規制など

動物の保護の制約があることや

 

非常に高価なこと以外にも、

天然動物香料から人体に有害なものが見つかり、

使用禁止や

使用量や

使用時の濃度の

 

規制が行われるようになったのも理由の一つです。

 

 

 

精油の安全性や品質に、国内の規制はない

 

私が、サロンを始める前後に、

「ペパーミント精油を足湯に使用するのは危険」
という情報を得たのも、

香料業界経由でした。

 

アロマセラピー業界からは、

何のアナウンスもなかったと記憶しています。

 

今まだ、ペパーミント精油で足湯をしているサロンが、
存在していそうな気がします。

 

それぞれの会社や一部の協会で

、基準や認定表示をしていますが、

それぞれ個々に独自でやっていて、

認定自体があまり意味が無いものだったり、

それがもし間違って表示されていたとしても、

取り締まる機関は、

実際のところ無いに等い現状のように見えます。

 

 

オレンジブロッサムで使用しているロジェダヴェンヌ社の精油は、

フランス国の医薬品使用の基準に適合認定を受けています。

 

また、(日本の)「化粧品」認定済みのものも多数あります。

 

合成香料に比べて精油は複雑

精油は、ワインのようなもの。

原料作物は、その年の気候に左右され、

同じ原料でも

製造する設備

・技術

・職人さんによって 違うものが出来上がります。

ワインの味や香り色のように、精油の香りも、成分も変わってきます。

 

 

 

合成では作り得ない成分もあり、未だ分からない成分も入っています。

 

 

「ラベンダー精油」一つを取っても、成分はいろいろ違ってきます。

変化しやすさも、合成より持ち合わせているでしょう。

 

 

 

ルームフレグランスには どちら?

 

どんな香りを求めているか、それは、人それぞれです。

 

精油をブレンドして作る香りは、自然な感じで、

性質上、軽くて飛びやすく長持ちしません。

 

だから、ルームフレグランスに適しています。

 

香水を空間を薫らすために使ったとしたら、

お部屋の香りが、甘く重たく

一旦薫らすと、何日も何日も香っては、うんざりします。

 

精油やハーブで作る香りのように

夜は香った香りが、朝目覚めたら無くなっているぐらいが

ちょうどいいです。

 

フレグランスには?

しかし、香水(香りの芸術作品)を作ろうと思ったら、

しっかりとベースノートが支え、

ミドルノートが揺蕩(たゆた)い、

トップノートが真っ先に香る、この構造が欲しいところですね。

 

そして、今は、香水の香料は合成を使わないと成り立たなくなっています。

 

また、有害な部分についてコントロールしやすいのは、

香料の方かもしれません。

 

香料で、トリートメントオイルを作ろうとは、思いもしませんが。

 

 

用途は、なんですか?

 

精油の成分で、皮膚に塗布されると、光毒性や発がん性を持つものもあります。

フランスで販売許可されているローズ精油からは、

その発がん物質が除かれています。

(輸入されているものは、どうなのでしょうね)

 

 

しかし、香りを楽しむだけなら、

その成分が含まれていても

人への有害性が少なくなることもあります

 

食品香料としてなら、人の皮膚につけると害になる成分が、

香りや味覚はよいものだったりします。

 

でもでも、一旦「精油」として、流通すれば、

肌につけることもある(その方が主流でしょう)ので、

これがクリヤーされていないと、安全ではありません。

 

 

 

香り(嗅ぐ)のか、塗布(皮膚から)かで、作用が変わる

 

人の体で、どう作用するのかは、本当にデータが不足しています。

大雑把なくくりで分類できるものでは、到底、到底ありません。

 

 

人体への作用は複雑

サロンのお客さまので、

むくみが少々あって、リフレッシュしたくて、急に運動して普段使わないところが筋肉痛。

どんなブレンドをしましょうか?

 

リフレッシュ、ということだったのですが、

グレープフルーツ精油は避けました。

 

グレーフフルーツ精油は交感神経に働くのですが、

筋肉の血流量低下という作用が確認されているからです。

 

自律神経への作用一つ取っても、

精油によって、交感神経に働く器官が違うのです。

 

余談ですが、
グレーフフルーツで言えば、
香りは精油でもフレッシュフルーツでも、
体温を上昇させるのですが、

食べてしまうと体温は下がるのです。

 

嗜好や認知、記憶との関連もあります。

 

害とは言えないけれど、

紫色を見ながら、オレンジの精油が香ると、ストレスを感じるそうなのです。

オレンジ色で、ラベンダーの香りがしても、リラックスしづらいそうです。

 

とにかく、十把一絡げにしないことですね。

 

 

皮膚にも嗅覚がある

そして、最近、皮膚に視覚がある。
ということが解ってきましたが、

なんと、嗅覚もあるそうなんです。

 

それから、

皮膚に精油を(もちろん植物油で希釈して!)塗布すると、

血流では説明できない速さで、反応が現れることもわかってきました。

 

つまり、塗布した部位の神経が精油成分に反応して、
脳に伝達しているということ。

 

ますます、何がどう言う経路で反応を起こすのか?

エビデンスのある情報が求められます。

 

その情報は、確かですか? 新しいですか?

自分が、どのような態度で情報と接するか、情報リテラシー、っていうのかな?

本当に求められる時代になりました。

 

不明のこと、明らかなこと、更新されたこと

自分の中で、常に分類して、明らかにしておくこと。

分別訓練が必要ですね。

 

他の領域からや、視点を変えてみてみること

同じところだけ見つめていると、外が暗くなったのか何が起こっているのかわからなくなります。

ちょっと違う立場の人の話を聞いたり、違う場所から眺めたりすると、発見があるかもしれません。

それに、楽しいしね。

 

 

繰り返しになりますが、私が気をつけているには、以下の通りです。

 

現状を正しく見て、自分の基準を持って、

「粘り強く」判断していくこと

決して人任せにしたり、投げやりになったり、信じ込んだりせずに

「粘り強く」

なんだと思います。

 

今ある情報で、「安全」を選んでいく。

 

基準がコロコロ変わっていないか、独善的な考えや 極端な考えでないか、自己チェックが必要です。

 

現在オレンジブロッサムでトリートメントに使う精油は、ロジェダヴェンヌ社製です。

すべてGC/MS(ガスクロマトグラフィー質量分析表)で確認できます  ※合計100%になっています  ※分析者の署名入りです

※1 ※2がないと、なんちゃって分析表ということになります。

 

8月31日まで、ロジェダヴェンヌ・爽やか系精油 厳選8種類 33%off sale 開催中です。(あと3日やわ〜、予約されて、後日お渡しもokです)

 

 

フレグランスとフレーバーについても、またいずれ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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このブログの著者

salon
精油の香りを嗅いだだけで、息をしているだけで、どうしてこんなに元気になるのだろう? これが、アロマセラピーとの出会いでした。 精油には自然の叡智が詰まっていて、今の時代の喧噪の中で、「ゆっくりと自分に向き合い時には自分を労り、時には微笑みを分け合いなさい」と教えてくれているようでした。 香りとともにタッチングセラピーの有効性を活かし、からだとこころとが「よくありたい」というお客さまの思いに的確に応えていきたい、と思っています。 もって産まれた五感・感性を生涯大切にして欲しく、「育む」活動もしています。 2007年から小・中・高校で「香育」を始め、その数は延べ約40校1600名になりました。 3年前からデイサービスでご高齢の方に毎月アロマ教室を行っています。 【プロフィール】 香りの教室&アロマセラピーサロン オレンジブロッサム代表 AEAJ認定教室「オレンジブロッサム香りの教室」主宰 米国臨床心理大学院日本校臨床心理修士修了(MA) 【資格】 公益社団法人日本アロマ環境協会(AEAJ)認定アロマセラピスト 公益社団法人日本アロマ環境協会(AEAJ) 認定アロマテラピーインストラクター エフェクティブタッチ®認定 上級インストラクター

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フレグランスを使いこなせるようになったら素敵ですね。

毎月一つ、香水教室に通って香水を作ること約9年。
そこで得たり感じたりした香りや香水についてのいろいろを、少しづつお伝えします。

お伝えする内容は
 (1)香水の扱い方、歴史などミニ知識

 (2)季節の香り
 (3)プレゼントした香水のミニ解説

月2回ほど、毎回、(1)と (2)or(3)について綴ってまいります。