ふりかえれば、すでに2004年には、うつの発作があったという……
目次
大丈夫でなければ、大丈夫じゃないって言っていい
五輪4連覇を果たし数々のメダルを手にした米国の元男子競泳選手、マイケル・フェルプスさんが語った記事があります。
初の五輪となった2000年シドニー大会で「0.5秒足らずの差」での敗北。その悔しさをバネに、04年アテネ大会で初の五輪金メダルを手にした。(その後の北京もロンドンもリオデジャネイロにも出場し、通算28個のメダルを獲得している。)
「ひたすら、ハングリーに」「上には上をめざし、限界を極めたい。」
しかし、大会の後の反動も半端なく、五輪のたびに「爆発」のような発作に襲われたと言う。
生きるのが楽になった
ロンドン大会の後、ついに治療を受ける必要があると悟ったと語っている。
治療施設に入って、はじめて感情をぶつけ、気持ちを口にする。
その時から、「生きるのが楽になった」という。
まだ用意ができていなかったんだ…
—-ふりかえれば、すでに2004年には、うつの発作があったという—
「なぜ10年前からこうしていなかったのかと、何度も自問した。でもその時はまだ用意ができていなかったんだ」
かつての自分は話したくないこと、向き合いたくないことを常にしまい込み、どこかへ片付けてしまうのが得意だったと思い返す。
向き合うには勇気がいる
今なら「大丈夫じゃなくても大丈夫」だと分かる
弱さは恥ではない
米シカゴで開かれたメンタルヘルス関連の会議で、うつ病に苦しんだ経験を振り返った。
「自ら命を絶たなかったことに感謝している」――。
心の病を恥ととらえる風潮があるが、口に出さなければ状況は変わらない。「打ち明けるのが怖い、だから自殺率が高くなる」と、フェルプスさんは考える。
人々のために 自らの経験を語る
今は自分の経験を語ることによって人々に手を差し伸べ、命を救うことができる。「そういう瞬間、その感覚と感情は私にとって、五輪で金メダルを取るよりはるかに素晴らしい」
フェルプスは今、良きパパでもあるようです。
ぐちゃぐちゃこそ ありのまま
善悪、白黒、そうそうスッキリするものではありません。
「混在が気にならない。」と言うのが近いのではないかと思います。
感情のバランスが崩れたり、混沌として分からなくなってきたら
助けを借りながら、整理してみませんか。
生き易さを求めて。
参照
CNN.co.jp記事
フェルプス、うつ病との闘いを語る 「命を絶たなくてよかった」
(CNN) 「自ら命を絶たなかったことに感謝している」――。五輪4連覇を果たした米国の元男子競泳選手、マイケル・フェルプスさん(32)がこのほど、米シカゴで開かれたメンタルヘルス関連の会議で、うつ病に苦しんだ経験を振り返った。
フェルプスさんは精神医療の改革を掲げる米ケネディ・フォーラムの年次総会で登壇し、政治コンサルタントのデービッド・アクセルロッド氏と対談した。
「王者になるには何が必要か」という質問に、フェルプスさんはためらいなくこう答えた。「それなら簡単。努力すること、打ち込むこと、あきらめないことだ」
具体的な経験について問われると、コーチが両親に「この子はオリンピック選手になれる」と告げた時のこと、初の五輪となった2000年シドニー大会で「0.5秒足らずの差」での敗北を喫し、メダルを持ち帰れなかったことを振り返った。
そこで味わった悔しさを原動力に、15歳で初めて世界記録を更新し、04年アテネ大会で初の五輪金メダルを手にした。
「ひたすらハングリーに上を目指していた」「自分の限界を極めたかった」と話す。
だが突進の後には反動があった。「五輪が終わるたびに気分が大きく落ち込んだ」という。
毎年10月の初めから11月頃、「何かがおかしい」と感じるような気分の波が襲ってくることに気付いた。「初めてうつの発作を経験したのは、たぶん04年のこと」と振り返る。
フェルプスさんはこの年、酒に酔って運転した容疑で逮捕された。
08年には北京大会で五輪史上最多となる8個の金メダルを獲得したが、それから数週間後の同年秋、大麻を吸っている現場を写真に撮られた。
薬物は「何かから逃げ出したい、逃げ出そうとする時の手段だった」と、フェルプスさんは言う。「逃げようとしてほとんど毎日、自分で自分を治療しているようなものだった」
五輪のたびに「爆発」のような発作に襲われたが、12年ロンドン大会の後は特に深刻だった。「水泳をしたくなかった。もう生きていたくもなかった」
数日間一人きりで寝室にこもり、何も食べずほとんど眠らずに、ただ生きるのがいやだとうずくまっていた。そしてついに、治療を受ける必要があることを悟った。
治療施設に入った初日は、これからどんな変化がやって来るのかと緊張して、ただ震えていた。
朝6時に看護師が起こしに来た。壁に張った8つの感情を見てどれが自分の気持ちかを示せと言われ、「今の気分なんて分かるか。むしゃくしゃして、いやな気分だ。朝は苦手なんだ」と当たり散らしたのを覚えている。フェルプスさんはそう言って笑った。
だが気持ちを口に出し始めた時から、「生きるのが楽になった」という。「なぜ10年前からこうしていなかったのかと、何度も自問した。でもその時はまだ用意ができていなかったんだ」
かつての自分は話したくないこと、向き合いたくないことを常にしまい込み、どこかへ片付けてしまうのが得意だったと思い返す。
今なら「大丈夫じゃなくても大丈夫」だと分かる。心の病を恥ととらえる風潮があるが、口に出さなければ状況は変わらない。「打ち明けるのが怖い、だから自殺率が高くなる」と、フェルプスさんは考える。
今は自分の経験を語ることによって人々に手を差し伸べ、命を救うことができる。「そういう瞬間、その感覚と感情は私にとって、五輪で金メダルを取るよりはるかに素晴らしい」と話し、自殺を選ばなくて本当によかったと強調した。
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